キャプテンズ・ログ - 2024年2月
2024年2月22日
キャプテンズ・ログ・シリーズの最終回である第6回では、インガー・トーハウガ船長が、印象的な新造船クイーン・アンが海上試運転を成功させるという最新の節目を迎えた時の体験をシェアします。
今後数週間、船長は新造船のサウサンプトン到着に先駆けた最終準備に集中する予定です。私たちの新しい船は先日、試運転を完了しました。
2月、クイーン・アンは16日間にわたる大事な海上試運転で、さまざまな速度を試しました。
その結果、見事にテストに合格したことをご報告します。
数年にわたる複雑な造船プロジェクトの全行程と、計画とコンセプトを実現させた設計チームとパートナー造船所の優れた技術によって、同船はベニス~パレルモ間の往復という重要な航海を成功させることができました。
これはキュナードにとって感動の瞬間でした。
クイーン・アンの艤装は、造船会社フィンカンティエリの造船所で数か月にわたり行われました。
乗船するたび、私は数百人の請負業者、数キロメートルにわたるケーブル、溶接、騒音、熱、強烈な作業用照明に迎えられました。
ですが、「ロープを放せ」という命令が出された瞬間にすべてが変わり、船はマルゲラの混み合った波止場からゆっくり出航しました。
やがてタグボートが離れ、クイーン・アンは初めて自力で前進しました。プロジェクトの感動的な節目でしたが、あまり長い時間味わうことはできませんでした。
その先には、全主要システムの点検、テスト、評価、修正という大きなプログラムが待ち受けていました。
推進システムに動力を与えるポッドから、操縦を助ける強力なバウ・スラスター、そして「水中の翼」とも言うべきスタビライザーまで、すべてについて極限の状態までテストを行いました。
また、これらの機械類をコントロールしている複雑な電子システムもすべて徹底的にテストし、必要な仕様と性能を満たしていることを確認しました。
それは膨大な作業量でした。
一番の目的は、全速前進から全速後進、急旋回、高速旋回、低速旋回、クラッシュ・ストップまで、さまざまな状況でどのように船が対応するかを見ることでした。
厳しいテストでしたが、これらの極限状況でのクイーン・アンのパフォーマンスは本当に印象的でした。
また、船をパレルモのドライドックに入渠させ、船体に塗装を施して新しい女王船を完成させるための努力を続けました。
マルゲラに戻りながらさらなるテストと検査が行われ、スケジュールを完了しました。おなじみの造船所の景色に戻るや否や、舷門が設置され、エンジニア、造船所の作業員、請負業者たちが再乗船しました。
現在は、4月に船の完成と納入に向けて、作業の最終段階に入っています。今後数週間のうちにクイーン・アンの乗組員が乗船します。
これは、プロジェクト全体でも非常にエキサイティングな部分です。キュナードの制服に身を包んだ乗組員の姿が、防護服を着た造船所の作業員よりも多く目につき始めると、サウサンプトンへの初航海の日が近づくのを感じます。
キュナードの旗の下で、クイーン・アンの歴史ある初航海を指揮するのを楽しみにしています。母港への初クルーズは、船上の私たち全員にとって非常に忙しいながらもエキサイティングな時間になると確信しています。
これまで、私が造船所からお届けしてきた「キャプテンズ・ログ」はおしまいとなります。
今後はクイーン・アンの最新情報をご覧ください。サウサンプトンでキュナード・ストーリーで次の章を発表できるのを心待ちにしています。
女王船のサウサンプトン到着…