キュナードのフラッグシップ、クイーン・メリー2の歴史

海洋史の中で、キュナードのフラッグシップであるクイーン・メリー2のように、これほどまでに威厳と称賛を集める船は珍しいでしょう。大西洋を滑るように進む優雅なシルエットから、古き良き時代を感じさせる豪華なインテリアまで、クイーン・メリー2は船旅への憧れを永遠に象徴する存在です。

計画と建造

クイーン・メリー2の物語は、20世紀後半に始まりました。当時、多くの人々はオーシャンライナーの時代が終わりつつあると考えていました。しかし、キュナードはこれに異議を唱え、新旧を融合させた贅沢な船旅を再定義するための新しいフラッグシップの建造計画を発表しました。

クイーン・メリー2は、史上最大、最長、そして最も高価なオーシャンライナーとして設計され、近代エンジニアリングの驚異と称されました。2002年、フランスのサン=ナゼールにあるアトランティーク造船所で建造が始まり、熟練の職人たちが丹精込めて計画を形にしました。全長345m、海面からの高さ72mという圧倒的なスケールを誇るクイーン・メリー2。その雄大な姿は、建造当初から今に至るまで、まさに壮麗そのものです。

クイーン・メリー2の進水と処女航海

長年の待望の末、クイーン・メリー2は2004年1月8日にイングランドのサウサンプトンで女王エリザベス2世によって命名されました。この命名セレモニーは、豪華クルーズの新時代の始まりを告げるものでした。そして、クイーン・メリー2が処女航海に出発した1月12日には、数千人の観客が集まり、その歴史的な瞬間を見守りました。

処女航海は、これまでのオーシャンライナーが多く航行してきた大西洋の歴史あるルートを辿り、その華麗さは世界中の人々の想像力を捉えるほどでした。航海中は、ガラ・イブニングやライブエンターテイメント、シャンパンでの乾杯、記念式典など、クイーン・メリー2の処女航海という大きな節目を祝う特別なイベントが盛りだくさんでした。

大西洋横断クルーズの復活

処女航海から数年の間に、クイーン・メリー2はヨーロッパと北米を結ぶ象徴的な大西洋横断の代名詞となり、現在も定期的に運航されています。

数日間の大西洋横断の旅は、時代を超える魅力と現代的な贅沢を兼ね備え、ロマンある船旅の魅力を再び呼び覚ますものでした。

サウサンプトンとニューヨークを結ぶ7日間の航海は、大海原を渡る生涯思い出に残る船旅をお探しの方におすすめです。広大なデッキに立ち、船が波を切るスリルを感じたり、船旅仲間との新たな友情を育んだりと、クイーン・メリー2での大西洋横断は、他では味わえない特別な体験を提供いたします。

クイーン・メリー2の進化と変貌

2004年の処女航海以来、洋上の豪華さとエレガンスの象徴であり続けるため、クイーン・メリー2にはいくつかの改良が加えられました。最大の改良は2016年に行われ、客室とスイートが大規模な改装を経て、さらに豪華に生まれ変わりました。

また、現在高い評価をいただいているステーキハウス・アット・ザ・ベランダやプールサイドのボードウォーク・カフェなど、新しいダイニング施設も徐々に加わりました。カリンシア・ラウンジ(写真)も大きく変化し、お客様に大好評の明るくスタイリッシュな空間に生まれ変わりました。

クイーン・メリー2は最近、最新のスターリンクWi-Fiを導入し、洋上でもより高速で安定したインターネット接続を提供できるようになりました。

サステナビリティと持続可能な観光への取り組みに基づき、省エネシステムや廃棄物削減の取り組みにも力を入れています。

クイーン・メリー2の重要な出来事

クイーン・メリー2が築いた遺産とその世界的な影響

年月が経つにつれ、クイーン・メリー2は海の象徴としての地位を確立し、他に類を見ない贅沢さと時を超えたエレガンスを求めて、何度も戻ってくるお客様に愛され続けています。クイーン・メリー2は、商業的な成功を収めただけでなく、船旅の伝統を守る重要な役割を果たし、船旅に秘められた魅力を世界中の人々に伝え続けています。2008年に姉妹船クイーン・エリザベス2が引退したことにより、クイーン・メリー2は世界唯一のオーシャンライナーとしてその地位を確立しました。

クイーン・メリー2は、新世代のクルーズ船にインスピレーションを与え、デザイントレンドに影響を与えただけでなく、業界における卓越性の基準を引き上げました。同船のレガシーは、この豪華な船で航海を楽しんだお客様が作り上げた、数えきれないほどの思い出の中に息づいています。

クイーン・メリー2はこれからも船旅における贅沢と洗練の象徴であり続け、長い歴史を背に力強く波を越えながら、時代を超えた旅へとお客様をお連れします。

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