船上で培った友情:5回連続クルーズを楽しんだ2人の友人
スティーブン・ハワース船長にインタビュー
クイーン・エリザベスの船長、スティーブン・ハワースが、どのように海でキャリアを積んできたのか、そして世界を航海することの醍醐味について語ってくれました。
船長、こんにちは。本日はインタビューの時間を取っていただきありがとうございます。まずは、ご経歴について教えてください。どのようにしてキュナードのクイーン・エリザベスの船長になったのでしょうか。
私は1987年、イギリス海軍の補助艦隊で海の仕事を始めました。10年間勤めたのちに、クルーズ業界に足を踏み入れ、のちにカーニバルUKに加わることになるP&Oクルーズで働き始めました。1997年から今日まで、P&Oクルーズ、P&Oオーストラリア、プリンセス・クルーズ、ファゾム、そしてキュナードと、多くのブランドの客船で航海してきました。
2016年に船長に昇進し、この直近3年半は、幸運にもクイーン・エリザベスの船長として航海しています。私はマンチェスター出身ですが、この10年間は妻と息子とともにスロバキアに住んでいます。
クルーズラインのラインナップを見るような素晴らしいご経験ですね。船長としての典型的な1日の様子を教えてください。
船での1日は毎日異なります。入港日は、日の出前に起きて準備します。多くのオフィス業務のように、事務仕事もあります。そのため、1日の大半はデスクでの作業や会議に費やされます。そして、船で出港する時間がまたやってきます。現在のアラスカのクルーズ日程では、氷河や野生動物を探しながらフィヨルドや航路を進む、非常に興味深い航行になります。それに加えて社交的な面として、カクテルパーティを開いたり、時折、結婚式を行ったりすることもあります。特に新しい目的地の場合は、上陸もするようにしています。
船上のお気に入りの場所とその理由を教えてください。
クイーンズ・ルームは船の中心部ともいえるべき存在です。当船のカクテルパーティはすべてここで行われます。私は夜、ここを歩いて、ゲストのダンスを観るのが好きです。とても優美であり、キュナードらしさのある場所です。
船旅を最大限に楽しむために、エキスパートからのアドバイスはありますか。
船内新聞を必ず読んでください。船上でのイベントに関する情報が満載ですので、何かを見逃すことはありません。また、ご到着とご出発の時刻や時差変更など、重要な情報も掲載されています。毎晩、お客様の客室に、翌日の情報を記載した船内新聞が届けられます。
世界でもまだ訪れたことのない港はそう多くはないと思いますが、何度も行って一番楽しいところはどこですか。
私のお気に入りのクルージングエリアは間違いなくアラスカです。いつも山間部で過ごすのが大好きで、休暇中、家族といっしょにヨーロッパアルプスやハイタトラ山地でのハイキングやスキーを楽しんでいます。スロバキアの自宅からすぐ近くにあります。クイーン・エリザベスのように美しいキュナード船で、アラスカのとても美しい山の風景の中を航海できることは、私にとって本当に最高の体験です。
お気に入りの港もアラスカにありますか。
いいえ、私のお気に入りの港はオーストラリアのシドニーです。サーキュラー・キーのクルーズ船ターミナルは、世界一のロケーションにあるバースだと思います。有名なオペラハウスとシドニー・ハーバー・ブリッジの間に位置していて、シドニーのダウンタウンは徒歩圏内です。
クルーズで心に残っている瞬間を教えてください。
アラスカの氷河まで船で航海するのは、毎回素晴らしいイベントです。体験を楽しむのは、お客様だけではなく乗組員も同じです。キュナードの船で曲がりくねったフィヨルドを航行していくと、最後には巨大な氷壁に直面します。これは何度経験しても、そのたびに感激します。
船長であることで一番気に入っていることは何ですか。
私は素晴らしいチームの一員であることが大好きなんです。デッキにいる若いオフィサーを指導し、彼らに操舵室で船を操るスキルを身に付けてもらえるのは本当に嬉しいことです。クイーン・エリザベスの船上では、素晴らしいチームに恵まれており、私自身この仲間たちと働けることを非常に誇りに思っています。
キュナードでのキャリアの中で、最も誇りに思った瞬間は何ですか。
幸運にも、2015年のクイーン・メリー 2、クイーン・ヴィクトリア、クイーン・エリザベスがすべてリバプールに集まり、リバーダンスに参加してキュナードの175周年を祝ったときに、クイーン・メリー 2の副船長として乗船できたことです。あの日はマーシー川の岸辺で100万人以上の人々が見物していました。
あなたの仕事やこの業界について、人々が誤解している点があれば教えてください。
船長であれば、常に操舵室にいるものだと思われています。「あなたがここにいるなら、今誰が操船しているのですか?」とよく聞かれます。外洋に出る日には、高度な訓練を受けたブリッジ・オフィサーのチームが船を操船しています。
また、業界全体として、船旅は定年退職した人だけが行くものと誤解されています。船旅は、老若男女問わずどなたにもお楽しみいただけます。特に、若い家族連れの乗船は大歓迎です。世界を見て、若い方々に旅と冒険の精神を届けるにも素晴らしい方法です。
(船長として、または観光客として)最も訪れてみたい場所はありますか?
スピッツベルゲン島から南極大陸、アマゾンの約1,600km上流からヒマラヤ山脈まで、世界中のほとんどの場所を公私ともに訪れたことがあります。先にも述べましたが、私は山と自然が大好きです。あえて言えば、キリマンジャロ山の登山ですかね。でも、そのためには船を下りないといけませんね!
仮にお客様だったら、どのような旅が夢の船旅ですか。
選択肢はたくさんあります。地中海は、クルージングエリアとしては狭くても、港ごとに多様性にあふれ、豊かな歴史があります。アラスカには、世界で最も美しい風景があります。オーストラリアとニュージーランドは、美しい自然の風景と世界的に有名な観光地に恵まれています。カリブ海にはビーチがあります。巨大な客船で朝日が昇るニューヨークへ航海するのも格別です。でも、クルーズエリアを1つしか選択できない場合は、ハワイを選ぶでしょう。ハワイには、あまり長い時間時滞在したことがないのです。素晴らしい風景が広がっているので、火山や森を探検したいですね。
キュナードの船上体験
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