Queen Elizabeth reimagined
読書家の夢
洋上の文学フェスティバル クルーズは、この数年、キュナードのテーマクルーズプログラムの定番となっており、その内容はクルーズを重ねるごとに、ますます充実しています。チェルトナム・フェスティバルのプログラム責任者ニコラ・タックスワース氏に、2023年のクルーズについて、またクルーズの一番の思い出についてお話を伺いました。
2023年の洋上の文学フェスティバル クルーズは、キュナードのこのタイプの船旅としては過去最大のもので、多岐にわたるジャンルの中から28人の作家、ジャーナリスト、スピーカーをお招きし、彼らの新しい本についての紹介、時事問題に対する見解、小説を書き始めるためのヒントなどを、親しみやすいワークショップでお客様に体験していただきました。内容は本だけには留まりません。航海日には、新しいゲームショー形式のイベント、スタンダップコメディー、あらゆる種類のトピックについてのパネルディスカッションなども毎日行われました。
洋上の文学フェスティバル クルーズは、『ザ・タイムズ』および「ザ・サンデー・タイムズ・チェルトナム文学フェスティバル」との素晴らしいパートナーシップなしには実現できませんでした。2018年以来続くこのパートナーシップは、洋上の文学フェスティバル クルーズの原型を生み出し、回を重ねるごとにその内容は充実度を増しています。
キュナードは、チェルトナム・フェスティバルのプログラム責任者ニコラ・タックスワース氏に、当クルーズについての感想を伺いました。また、フェスティバル委員長で元BBC特派員のジュリア・ウィーラー氏、作家のマーク・ビリンガム氏からも感想を伺いました。
こんにちは、ニコラさん。本日はありがとうございます。チェルトナム文学フェスティバルは、毎年恒例のイベントで最もよく知られています。これは通常、陸で行われるフェスティバルですが、洋上で行われるキュナードのフェスティバルとの主な違いは何ですか?
10日間にもわたってチェルトナムで行われるフェスティバルでは、数百人もの講演者がチェルトナムに集結します(多くの場合、1時間のイベントに1回のみ出演)。クイーン・メリー 2では、開催期間は航海日の7日間で、出演者の数もはるかに小規模(約30名)です。この選ばれた出演者たちは互いにコラボしながら、乗船中に3つまたは4つのイベントに登場するほか、自身の執筆内容に直接関係のないパネルディスカッションへ参加する場合もあります。題材の例としては、「お気に入りの文学ヒロイン」、「品を感じさせない年の重ね方」、「あるいは自分を作った仕事」などがあります。これは彼らにとっても、他の著作家と知り合い、一緒に特別な経験をする良い機会となっています。
このプログラムはどのように企画され、出演する人はどのように決定されているのでしょうか?
私たちは、熱心な読書家の方にもご満足いただけるように、バラエティに富んだ、洋上イベントプログラムを航海日を通して提供することを目指しています。ニュース、歴史、フィクション、コメディ、古典の作家を取り上げ、お客様にはあらゆる種類のライティングクラスや人気のタイムズ・クロスワード・セッションもお楽みいただけます。ゲストには有名なベストセラー作家が登場することもありますし、新人作家をご紹介することもあります。
お互い仲良く、一緒に楽しんで参加できるメンバーを慎重に選びます。自分が一番でないと気が済まないような人は選べません。グループを徐々に作っていきます。5人か6人のグループで参加の承諾を確認し(ほとんどの人が承諾します)、さらに追加で数人招待します。こうすることで、グループを見直し続け、バランスが適切であることを確認できます。私たちにとってのボーナスと言えるのは、カップルで作家である場合です。歴史家のアンソニー・ビーバーとその伝記作家の妻アルテミス・クーパーがその一例ですが、彼らにはカップルで乗船してもらいました。クルーズに割り当てられた客室は25室ほどあります(ジョーと私、そして司会者とモデレーターも含める必要があります)、私たちはかなり慎重にグループを選び、さまざまな場合に対応できるように準備する必要があります。次に、たくさんの表計算ソフトを使ってイベントを企画し、作家たちが納得する提案内容を作り上げます。
ずいぶん複雑な作業のように聞こえますね。2023年の洋上の文学フェスティバル クルーズに参加された際、どんな経験をなさいましたか?
大変特別であったと共に内容が盛りだくさんで、本当に心に残る体験でした。船内のチームは素晴らしく、会場の技術チームから、掃除の行き届いた客室に整えてくれる客室係の方まで、全く問題はありませんでした。ベッドもこれまでにないほどの快適さでした。そして、食事はすべて最高においしかったです。夜明けに起きてデッキですがすがしい散歩を楽しみながら、幻想的な何もない海を眺め、その後レストランでスモークサーモンやスクランブルエッグをおいしくいただけば一日の準備が整います。そして、作家全員がブラックタイや華やかなドレスに身を包んで出席する、ガラ・イブニングのコモドアー・クラブでのカクテルパーティーは、とても楽しいものでした。
この3回にわたる洋上の文学フェスティバル クルーズの中で、特に印象深かったことは何ですか?
数えきれないほどあります。2019年のP.G.ウッドハウスのトリビュート・イベント、2023年のカリンシア・ラウンジでのレイチェル・パリスとマーカス・ブリグストックの即興セッション、2022年にサイモン・アーミテージがお父上について語った感動的なエピソード、そしてもちろんヴァル・マクダーミッドがカラオケでザ・プロクレイマーズを熱唱したことなど…
文学への関心を持っているお客様が非常に多いため、船内にはコミュニティ、真の仲間意識のようなものが生まれるのでしょうか。そう感じましたか?
ええ、その通りです。美しい船とクルーズ体験が、すべてのお客様と講演者を結び付けます。一般的なクルーズとは違い、長年にわたり多くの人が経験してきた真の船旅と言えるでしょう。作家同士も仲良くなります。お互いのイベントに参加したり、夜には一緒に食事をしたり、豪華なコモドアー・クラブでカクテルを飲みに集まったりして交流します。参加者の方々はとても熱心です。船上でのセッションやワークショップについて、お客様から講演者にお礼の手紙を渡されることもよくあります。サイン会ともなれば、多くの方が本を購入し、サインを得るための行列は船の半分にまで伸びます。
チェルトナム・フェスティバルとキュナードはなぜこれほど相性が良いと思いますか?
双方とも発見の旅を求めているからだと思います。キュナードの美しい船は人々を新しい地へ、私たちはフェスティバルの参加者を物語、場所、アイデアを発見する読書の旅へとお連れするのです。まさに完璧な組み合わせです。
本日はジュリア・ウィーラー氏とマーク・ビリンガム氏にもお越しいただくことができました。二人とも優れた作家であり、以前の洋上の文学フェスティバル クルーズでは特別ゲストも務めていただきました。
ようこそお越しくださいました。お二人にとって、これまでの文学フェスティバル クルーズの中で特に印象深かったことは何ですか?
ジュリア・ウィーラー:大きな見どころは、キャプテン、チーフ・ホテル・マネージャー、エグゼクティブシェフとのイベントで、キュナード船の内部を見ることができました。彼らがステージに上がったときの拍手喝采がすべてを物語っています。参加者は皆、船上で彼らの世界の舞台裏が見れたことをとても喜んでいました。もうひとつは、「桂冠詩人」サイモン・アーミテージが喪失感について語ったときの参加者の方々の反応でした。皆、非常に感動し、クルーズの間中ずっとその話題でもちきりでした。このように特別な瞬間がたくさんありました。これは、航海中は物事についてじっくり考える時間があること、そしてよりオープンで受容的になることと関係があるのだと思います。最後に思い出すのは、2022年のクルーズでトップバッターを務めたアレグザンダー・マコール・スミスです。彼のくすくす笑いと、彼が語る物語と雰囲気を楽しむ人々、あれは楽しくまさに完璧な幕開けでした。
マーク・ビリンガム:幸運なことに、私はすでにこのイベントに2回参加しているので、印象に残っているシーンはたくさんあります。船自体も大変素晴らしいのですが、このフェスティバルは私が今までに参加した中で、他に類を見ないものでした。これは主に、講演者のラインナップが多岐にわたっているからでしょう。作家、ジャーナリスト、芸能人、そして国会議員までが出演します。エド・ボールズがカラオケで歌っているのを見たこと(私もやってみたかったのですが)や、非常に活発な討論会は強く印象に残っています。本当に誰もが楽しめるものがあります。常に仕事をしていたのに、まるで休暇に来ているような気分でした。実際には、やるべきことがたくさんあるので、数回の休暇のように感じられました。それから、私、お食事についてお話ししましたっけ? 本当に素晴らしいお食事ばかりでした。
ジュリア、あなたは現在のフェスティバルの責任者です。洋上の文学フェスティバル クルーズと陸の文学フェスティバルとの違いは何でしょう。
ジュリア:洋上のフェスティバルは一週間にわたって開催され、他のフェスティバルでは想像できないほど、作家とお客様の間には親密な仲間意識があります。これは、お客様が非常に多くのイベントに参加できることから生まれます。あるイベントで言及されたテーマ、アイデア、ストーリーが別のイベントで取り上げられることもあり、まさに包括的な体験を味わえるのです。作家は他の作家のイベントに参加し、協力を惜しみません。作家同士の楽しく機知に富んだ会話が、穏やかな形で聞く人に伝わり、あたかも読書会の「仲間」のように人々を巻き込みます。
マーク、お客様のこのイベントに対する反応はどうでしたか?
私が聞いた声から判断すると、お客様は毎回とても楽しんでくださっています。お客様は常にとても協力的で、何かをお願いした際には喜んで応じてくださいました。
最後の質問です。繰り返し参加されている理由は何ですか?
ジュリア:毎年、出演者と参加者の組み合わせが異なるからです。乗船までの数週間はどんなクルーズになるのか想像がつきませんし、航海後はこれ以上違ったものになったとは想像もつきません。いつも刺激的で、多くのことを学ばせてくれます。熱心な作家の方々、本のテーマの多様性、会話のトピックの豊富さ、熱心で知的な参加者など、素晴らしい要素が組み合わさることで、魔法のような魅力が生み出されています。皆一緒になって、特別な空間と思い出に残る経験を共有します。
私は、さまざまな経験や視点を持つこのような魅力的な人々が、ステージや夜のドレスアップタイム、あるいは朝食ビュッフェやアフタヌーン・ティーで、乗客の方々と本やテーマについて感想を語り合ったり、意見を交わしたりなど交流するのを楽しみにしています。ステージ上でもステージの外でも、すべての人の意見が重要視されているという感覚があります。
マーク:彼女が言ったことすべてに同感です。あらゆるブックフェスティバルに参加してきた者として、これは最高のフェスティバルのひとつです。またぜひ参加したいと思っています。招待されなくとも、密航して参加するかもしれませんよ!
次回をお楽しみに…
キュナードの洋上の文学フェスティバル クルーズは、2024年11月13日、クイーン・メリー 2で再び開催されます。チェルトナム文学フェスティバルとのパートナーシップについての詳細はこちらをご覧ください。
キュナードの船上体験
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