Queen Elizabeth in Tasmania

キュナード

著者

魅力的な歴史、手つかずのビーチ、活気あるグルメシーンと有名なワイナリーや数多くの野生生物を共に楽しめるタスマニアは、観光に最適の州です。

 

 

ホバート - 歴史と文化が交差する街

 

本島の南約240kmに位置する島の州都、ホバートは、植民地時代の面影を今に伝えると同時に現代文化の発信地でもあります。ダーウェント川の河口にある1804年に設立されたヨーロッパ人入植地は、シドニーに次いでオーストラリアで2番目に古い都市です。

 

個性的なジョージアン様式の建築、美しい砂岩の建物、立派な通りであるサラマンカ・プレイスをご覧になると、ホバートには開拓者が残した遺産が息づいていることがすぐに分かります。

Hobart, Tasmania

サラマンカ・マーケット

 

ここに連なる2階建て、3階建ての倉庫は捕鯨産業が盛んな時代に建てられたもので、今日では、ホバートの文化活動の中心地となっています。レストラン、カフェ、ギャラリー、デザイナーショップが立ち並んでおり、土曜日にはこの美しい通りが歩行者天国になり、オーストラリア屈指のマーケットに変身します。300軒以上の衣料品、工芸品、職人の手作りの食べ物などの屋台が色とりどりに並ぶ様子からは、タスマニアの素晴らしさが伝わってきます。

 

サラマンカ・マーケットの周辺エリアは、オーストラリア南部の首都の歴史に触れるのに理想的な場所です。

 

 

バッテリー・ポイントとアーサー・サーカス

 

サラマンカ・プレイスから南に向かい、倉庫、クラフトショップ、アート・ギャラリーを通り過ぎると、バッテリー・ポイント近郊に到着します。ホバートのこのエリアの名前は、1818年に侵入者から街を守るために川岸に置かれた大砲の砲台にちなんでつけられています。バッテリー・ポイント・スカルプチャー・トレイルに沿って狭い道を進んでみましょう。このトレイルには、地元の歴史上重要な出来事を描いた9つの彫刻が並んでいます。

 

かつては商人の地区であった場所を後にすると、植民地の初期の時代の生活の雰囲気を感じることができるでしょう。クラフトビールの醸造所や囚人が建てた教会を散策していると、間違いなくこの旅で最も思い出深いものになるであろうアーサー・サーカスの円状に並ぶコテージの光景にたどり着きます。1800年代に駐屯部隊の将校のために建てられた、古風で囲い策で囲まれた家々には、絵はがきのモチーフになるような魅力的な雰囲気があります。

ウェリントン山とウェリントン・パーク

 

アーサー・サーカスからの眺めは、ホバートからの眺めがいつもそうであるように、街の背景として常に存在するクナニー(ウェリントン山)が主役です。この地域の先住民族、パラワ・カニ族が付けた名前を取り入れたこの印象的な山は、1,271mの高さがあり、市内の玄関口に広がる大自然となっています。

 

180km²のウェリントン・パークの特徴である山頂までは、徒歩、自転車、または車でお出かけいただけます。ウェリントン・パークのウォーキングコースでは、山頂からの素晴らしいパノラマビューに加え、500種類もの自生植物やワラビー、フクロアナグマ、ハリモグラ、ネズミカンガルーなど、多彩な自然の驚異に出会うことができます。

MONA

 

ウェリントン山から見下ろすと、水辺のロケーションに今も発展を続ける街、ホバートが広がっているのが分かります。ダーウェント川で素晴らしい体験を満喫したい方は、ブルックストリート・ピアからフェリーに乗り、「世界の底」にある世界的に有名なスポットへ向かいましょう。

 

ダーウェント川に面し、砂岩を削って作られた驚きのMONA(ミュージアム・オブ・オールド・アンド・ニュー・アート)は、単なる文化施設ではありません。この地中にある不思議なスポットは、創業者によって「破壊的な大人のディズニーランド」と表現されており、物議をかもす現代アンティークのコレクションを誇っています。そのため、多くの人がMONAを「オーストラリアのグッゲンハイム」と表現しています。これに加えて、素晴らしいワイナリーやレストランも揃っており、忘れられない日帰り旅行になることでしょう。

 

 

女性工場

 

MONAが最先端のタスマニアを体現する一方で、この州の歴史を思い起こさせてくれる場所も近くにあります。サウス・ホバートのカスケーズ女子工場は世界遺産に登録されており、1820年代後半以降、女性囚人が収監されていた宿舎をツアーで見学することができます。ヨーロッパでの植民地時代初期に女性囚人が置かれていた状況についての知見を得られる、考えさせる展示です。

 

ポート・アーサーと死者の島

 

よりイマーシブな体験をお望みなら、ポート・アーサーの生きた博物館は必見です。ホバートから約100kmの場所にあるこの陰鬱なスポットには、約30棟の砂岩の牢獄があり、細い道が繋がっているだけで島からは隔てられています。逃亡は不可能でありながらも、ここに収監された1,000人の囚人は常に逃げようと画策していた状況だったのだろうと考えられます。

 

大抵は、少し食べ物を盗むなどの罪で英国から追放された囚人です。多くの囚人が1日に23時間独房に監禁されたり、収容者の作業グループで鎖につながれたり、猫の9つの尻尾として知られている、悪名高い結び目のついた鞭で打たれたりしていました。多くがポート・アーサーから逃げることはできず、少し離れた小さな島にその残忍さの証拠が残るばかりとなりました。「死者の島」を巡るツアーでは、刑務所で亡くなった1,646人の墓地を見学できます。

 

現在、この世界遺産はオーストラリアの歴史の中でも最も重要な遺跡の一つと見なされています。専門ガイドと共にこの場所を訪れるツアーは、タスマニアの島への旅の思い出になることでしょう。

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