仲が良く打ち解けた関係にあったことで知られる二人の若い王女殿下は、ロイヤルボックスで母君の横に立ち、この機会を楽しみながら、これから起こることを待ちわびていらしたことでしょう。
進水の直前、キュナード・ホワイト・スター・ラインの会長パーシー・ベイツ卿は、旗竿につるされているエンパイア・ワインのボトルをエリザベス王女殿下に対して指し示し、船の側面に叩きつけて割る準備が整っていることをご説明しました。喜んだ王女陛下はすぐにそのことを妹君にお伝えになり、お二人はロイヤルボックスで進水式がこの後どうなるかについて、想像をふくらませていらっしゃったようです。お二人は約60mの高さの船首のレールに沿って集まった乗組員たちに手を振り、全員笑顔で王女殿下と微笑みを交わし合いました。