ビルバオ(スペイン)

ビルバオはバスク地方の中心、イベリア半島のビスケー湾に隣接する海岸にあります。高い湿度と温暖な気候により、美しい牧草地や森はいつも濃い緑に覆われています。

スペイン南部の乾燥した気候よりもイギリスの田舎に近いといわれるこの土地の風景をお楽しみください。また、見る価値十分のグッゲンハイム美術館も必見スポットです。

14世紀に建設されたこの都市は最初は鉄の輸出、その後の製鉄、海運、造船、銀行業などの産業によって発展しました。バスク地方の強いアイデンティティは、言語、お祭り、そして食文化に顕著に表れています。

バスク地方の定番は、タパスに似ていますが、通常やや小ぶりの「ピンチョス」と呼ばれる料理です。じゃがいもと玉ねぎのオムレツやアンチョビといったシンプルなものから、ホタテやフォアグラの白いんげん豆添えのような料理まであります。ビルバオ旧市街にもピンチョスバルはありますが、サンセバスチャンはピンチョスで特に高い評価を得ています。マリア・クリスティーナ王妃が1800年代に夏の離宮を建てたこの町は、弧を描く湾、白い砂浜、愛らしい遊歩道、ベルエポック様式の建物も魅力的です。

ビルバオの旧市街は、オリジナルの中世の町を構成した「7本の通り」としても知られています。今でも色とりどりの美しい街の中心地であり、アーケードのあるヌエバ広場やゴシック様式のサンティアゴ大聖堂などの見どころがあります。その近くには、120年以上の歴史を誇る、ドームと曲線のファサードが特徴的なアリアーガ劇場もあります。

グルメの方にはヨーロッパ最大の屋内市場である、ラ・リベラ市場がおすすめです。1920年代以来、市場は大きなステンドグラスの窓を備えたアールデコ調の広々とした建物です。

12世紀の作品からセザンヌやゴーギャンの作品まで展示しているビルバオ美術館は、訪れるべきリストの上位に入るでしょう。アスクナ・セントロア(旧称アルオンディガ)もビルバオの文化的に重要な建物の1つ。かつてワイン倉庫として使われていた建物は、展示やコンサートなどの会場に生まれ変わりました。フィリップ・スタルクがデザインしたこの建物には43本の柱があり、どれも遊び心のある異なったスタイルとなっています。最後にご紹介するのはもちろん、グッゲンハイム美術館です。光り輝くチタニウムのパネルの見事な曲線は、光と建物の横を流れる川面を反射するように作られています。この建築家フランク・ゲーリーの傑作は、目を見張るような外観も所蔵コレクションも、街のシンボルとなっています。