グランド・ターク(英領タークス&カイコス諸島)
知られている限り最も古い住人はアラワク語を話すタイノ族の人々で、内陸の浅い池に入り込んだ海水が太陽の光で蒸発してできた天然塩の交易を行っていたと信じられています。事実、17世紀後半にバミューダ諸島からの英国人植民者たちが塩を回収するためにここに到着し、製造法を改良しました。塩田を仕切るのに使われた低い石壁の痕跡がまだ島のいたる所にたくさんあり、サリナの町に隣接するソルトハウス博物館でもご覧いただけます。
島の北東端にある鉄の灯台も、製塩時代のもう1つの遺産です。悪名高き島の岩礁から塩を採取する船を守るために建造されたこの灯台は、1852年にイングランドで鋳造され、18mの高さから見下ろす今の場所で組み立てられました。
諸島の首都であるコックバーンは、魅力あふれる街です。豪華な装飾のバルコニーを備えたバミューダ独特のスタイルの家々や、白塗りの建物に深紅のよろい戸と門が印象的なセントメアリーズ・アングリカン教会などが並ぶフロント通りやデューク通りは、特にすてきな景観を楽しめる場所です。
時々、野生のロバが通り過ぎることがありますが、これも製塩時代の名残です。女王陛下の刑務所は1830年代から1994年に閉鎖されるまで使用されました。今は当時よりも温かい歓迎の雰囲気が漂います。低い白塗りの壁の中では、監房の中を覗いたり中庭を散策したりと、興味深いツアーをお楽しみいただけます。
かつては塩を求めて人々が集まっていた島には、現在は貝殻とサンゴでできた柔らかい白砂を求めてやって来ます。島の首都を背景に広がるコックバーンタウン・ビーチ、港に近いクルーズセンター・ビーチ、シュノーケリングに最適のピロリー・ビーチとボアビー・ロック・ポイント、美しい眺望のガバナーズ・ビーチなどがおすすめです。
ギブズ・ケイは1.6km沖合に浮かぶ無人島で、日帰り旅行に最適です。ガラスのように澄んだ海水にはアカエイがたくさんおり、浅瀬で船を漕ぐ観光客の間を悠々と泳いでいます。
島々はまた、陥没穴、水中洞窟、潮吹き穴などが点在する石灰岩の海岸線でも知られており、ミドルカイコス・オーシャンホールは、世界で最も広いブルーホールとされています。
マングローブの湿地帯は、諸島内の主な島々のほとんどに見られます。日陰になった浅い水路は、カメやホラ貝だけでなく、サメの子やエイ、その他の魚の生息地にもなっています。カヤックやパドルボードでぜひ探検しましょう。陸地でも、乗馬、ハイキング、四輪バギーなどアクティブに過ごす方法はたくさんあります。
魅力的なタークス・カイコス国立博物館では、タイノ族のカヌーパドルや何百年も前の難破船の遺品、瓶に入れられたメッセージ、墜落した宇宙船など、さまざまな物品が展示されています。お土産をお探しなら、バス用でもキッチン用でも、やはり塩でしょう。