ハバード・グレイシャー、アラスカ州(アメリカ)(シーニッククルージング)
ハバード・グレイシャーの寄港地案内
北米最大の潮水氷河であるハバード・グレイシャーは有名な観光地です。何世紀にもわたって形成された、果てしない氷の世界。ここでは、人間ではなくまさに自然が主役です。その壮大なスケールの偉大さを真に味わえるのは、クルーズだけでしょう。他では見られないユニークな風景で、観光客は自然界が創り出したものの偉大さを実感することができます。
ハバード・グレイシャーの人気観光スポット
ハバード・グレイシャーで一番おすすめの観光スポットはもちろん氷河でしょう。長さ122km、深さは場所によって610mにもなるこの巨大な氷河は、見ごたえのある驚異の自然現象です。
北米最大の潮水氷河ですが、その巨大な氷塊のうち海面上に出ている部分の高さはたったの107mです。ほとんどの部分は海面下に隠れ、満潮時水位点に達するまで400年(氷が下から氷河本体を移動し初めて大気に触れるまでにかかる正確な時間)もかかります。
アラスカ州沿岸の見どころを巡るクルーズでは、氷河の造形やそびえ立つ氷山の優雅さと輝きを目の当たりにできます。氷河が作った歴史を学び、その眺めをご堪能ください。ハバード・グレイシャーは1,000年以上にもわたってこの地の地形や人間の活動を左右してきました。この機会に、地上で最も壮大な、ゆっくり動く氷を間近に見てみませんか。
ハバード・グレイシャーの楽しみ方
ハバード・グレイシャーへのクルーズは、日常の世界を忘れ、アラスカの手付かずの自然風景に浸る絶好の機会です。
ここには人間の創り出した文明はありません。造られた道路も、携帯電話の電波もありません。人間の存在を示す永続的な証拠は一切ありません。ハバード・グレイシャーを観光する唯一の方法は船で行くことですが、毎年数隻の船のみが航行を許可されます。訪れる観光客は、氷河を見るのは初めての方がほとんどです。そして、一生氷河を見ることを夢見て終わる人もたくさんいます。幸運にもハバード・グレイシャーを訪れることができた人たちは、自慢すること以上の宝物を得られます。
それは類のない氷河の美しさなのです。ビルほどの大きさのある氷山を海に放出しながら、最鋭レンズでも捉えられないような、魅力あふれる虹色の輝きを放ちます。水を打ったような静けさを破るのは、時折聞こえる氷が砕ける音だけです。これは「眠れる怪物」が生きていることの唯一の証です。
双眼鏡を手にして、氷河の上でくつろぐアシカや神秘的な深みから飛び出すシャチに目を光らせましょう。客室で朝食を召し上がりながら、遮るもののないハバード・グレイシャーの眺めをプライベートバルコニーからお楽しみください。または目覚ましを日の出の直前にセットし、朝一番の光が氷河を照らす光景を船の静かなデッキから眺めるのもおすすめです。
ハバード・グレイシャーの文化と歴史
ハバード・グレイシャーは、ナショナル・ジオグラフィック協会の初代会長ガーディナー・ハバードにちなんで1890年に名付けられました。アラスカ州南東部にありアメリカとカナダの国境にまたがるこの氷河は、縮小するどころか拡大している数少ない氷河のひとつであり、毎年平均24mずつ増えています。
すべての氷河は気候条件に応じて縮小・拡大しますが、ハバード・グレイシャーの拡大率は他に類を見ないものです。特に氷河が通常縮小する温暖な時季に拡大しています。
そのユニークな氷河のサイクルは、セントエリアス山脈に降る大量の雨水が冷えて雪に変わり、氷河に流入することで起こります。このハバード・グレイシャーの勢いは急速に進んでいて、1986年と2002年にラッセル・フィヨルドへの入口をふさぎました。閉鎖は氷の融解によって航路が開かれるまで数週間続きました。
拡大の様子は肉眼では見ることができるほど速くはありませんが、氷河の一部が分離して新しい氷山ができる様子はご覧いただけるかもしれません。その魔法のような光景は、この自然の偉業が今もなお進行中であることを思い出させてくれます。