フヴァル島(クロアチア)

フヴァルはスプリトから南に40km弱の同名の島にある町で、澄み切ったアドリア海に誇らしげに佇んでいます。ダルマチア海岸で最も美しい観光地の1つであることは間違いありません。

フヴァル島を拠点にして、周辺の美しい島や小島へお出かけいただくこともできます。フヴァルの町から船ですぐのパクレニ諸島には、緑豊かな森の中に弧を描く入り江や湾があり、砂浜や小石のビーチがひっそりと点在しています。

広い自然の湾に面したフヴァルの町の魅力は、古代ギリシャ時代以前までさかのぼることができます。ヴェネツィア人にとって重要な交易の場だったフヴァルの町は、6世紀にわたって栄えました。その後の侵略と海賊の襲撃は、この麗しい町を包み込む要塞という写真映えする美しい遺産を残しました。

オリーブの林やブドウ畑、ラベンダー畑が点在する内陸部は徒歩や自転車で楽に観光できます。この肥沃な土地の恵みを味わって、充実した1日をお過ごしください。地元のオリーブオイルやクロアチア産ワインの試飲も可能です。

フヴァルの町の東側にある、ユネスコ世界遺産に登録されているスタリー・グラード平原は、おそらく島で最も古くから農作が行われてきた場所です。約2,500年前にギリシャ人によってここに集落が作られ、今でも空積みの石壁や灌がい設備の跡が残っています。

市内の曲がりくねった路地や大理石模様の道も大きな魅力をかもしています。もちろん、たくさんの見どころもあります。たとえば、ルネサンス様式の回廊がある15世紀のフランシスコ修道院は、ウォーターフロントに近い静かなオアシスです。

フヴァルは古風な町ですが、所々に豪華さも垣間見られます。その中でも最も目を引くのが聖ステパノ広場です。同名の大聖堂には4階建ての鐘楼があり、中世やルネサンス時代の絵画のコレクションが展示されています。またこの近くには旧武器庫があります。広大な内部ではかつて戦闘用のガレオン船の修復や再装備が行われていました。要塞からは、美しいマリーナにゆらゆらと浮かぶヨットから、太陽の光が降り注ぐオレンジと赤の屋根まで、すべてを見渡すことができます。