ニューキャッスル、イングランド(英国)

ニューキャッスルは英国北東部のタイン川沿いに広がる都市で、対岸のゲーツヘッドとは複数の橋で結ばれています。かつては造船や石炭で知られていたこの街は現在、賑やかで活気にあふれ、アートシーンも盛んです。

かつてハドリアヌスの長城の東端を守っていたローマ時代の要塞、セゲダナムを訪れてみましょう。ニューキャッスル中心部から東へ約5.6km、ウォールズエンドという町にあり、その名前は要塞の町にぴったりです。この印象的な発掘現場は、30mの高さの見晴らし台から眺めるのが一番です。ここからは、兵舎や馬小屋、本部、司令官の家がすべて見えます。敷地内には、長さ76mを超えるオリジナル部分の隣に、実物大で再現された壁の一部もあります。

この要塞よりも後に建てられたビーミッシュ博物館は、市中心部の南に位置し、イングランド北東部の歴史をたどることができる屋外の博物館です。ここでは、ポッカリー・オールドホールで1820年代にタイムトリップし、その後1900年代の探鉱や町、郊外の村へと足を踏み入れてみましょう。蒸気機関車やトラムに乗って当時の雰囲気に浸ったり、1940年代の農場で第二次世界大戦中の国内戦線での生活を垣間見たりすることもできます。

市の中心部に戻り、地下を通る全長約4kmのビクトリアトンネルに入ったら、町が奇襲を受けた夜に思いをはせてみましょう。空襲のサイレンが鳴るたび、トンネルは何千人もの住民たちの避難場所となりました。トンネルはもともと地下馬車道として建設されたもので、1840年代から1860年代まで、スピタル・タングス炭鉱からタイン川の船へ石炭を運ぶための便利な通路でした。

何世紀にもわたってニューキャッスルの産業に重要な役割を果たしてきたタイン川は、町とゲーツヘッドと結ぶ数々の橋をはじめとした美観の中心的存在にもなっています。中でも最も目を引くのは川面に映し出されるアーチが美しい、1928年に開通したタイン橋と、より近未来的な曲線を描き、橋全体が横に傾斜して船を通過させるゲーツヘッド・ミレニアム橋です。

ニューキャッスルに来たら、レストランやギャラリーが建ち並ぶキーサイド地区に向かいましょう。バルティック現代アートセンターは、多くの人が訪れたい観光スポットです。巨大製粉工場を改築した広大なスペースでは現在、世界中の現代アーティスト、写真家、デザイナーによる展覧会が開催されています。ほぼすぐ隣にはセージ・ゲーツヘッドがあります。ノーマン・フォスター設計の、目を見張るような曲線を描くガラスのデザインは、最先端の音楽会場というだけでなく、街の輝けるモダンなシンボルにもなっています。

市中心部の他の印象的な建物には、15世紀のランタンタワーで有名な聖ニコラス大聖堂や、迫力あるキープと呼ばれる城郭や黒い門で有名な中世の要塞ニューキャッスル城などがあります。スポーツ好きの方には、ニューキャッスル・ユナイテッドFCの本拠地セントジェームス・パークがおすすめです。

1832年選挙法改正を可決した元英国首相の第2代グレイ伯爵に敬意を表して建てられた、高さ40mのグレイ・モニュメントをぜひご鑑賞ください。街の郊外にも、すでにシンボルとなっている新しい観光スポットがあります。高さ20m、両翼の長さ54mの彫像、アントニー・ゴームリーの「エンジェル・オブ・ザ・ノース」です。