ポート・エリザベス(南アフリカ)
アルゴア湾沿いに16kmにわたって広がるこの都市は、国内有数の海港です。船で南アフリカへ行く場合、ポート・エリザベスに停泊することが多いでしょう。船が湾に入ると、多くの珍しい海鳥が生息する島々が点在する素晴らしい景色をご覧いただけます。
ポート・エリザベス港とウォーターフロント、市中心部は、FIFAワールドカップ2010のために改修されました。港はスタイリッシュで活気にあふれ、ゆらゆらと浮かぶプライベートヨットやクルーザーの後ろにはきらめく白い建物がそびえます。ポート・エリザベスにおける英国の伝統は、とてもヨーロッパらしいクラシック建築に明瞭に表れています。
港は、1820年に英国臨時総督のルフェイン・ショウ・ドンキン卿により建設されました。多くの人はドンキンがこの港を女王の名前にちなんで名付けたと思っていますが、実際は彼の最愛の妻の名前にちなんでいます。
地元の歴史的名所の多くは、「ドンキン・トレイル」で結ばれています。ルート上には、各名所の案内板が掲示されています。トレイルをゆったりと散策し、魅力的な史跡を見学してお楽しみください。ドンキン・ストリートのテラスハウスは、階段状の屋根とピケットフェンス付きのバルコニーを備えた魅力あふれる光景です。
現在は国定史跡に指定されており、過去の遺産として保存されています。テラスハウスは、トレイルの途中にある51か所の歴史的名所のうちの1つにすぎません。
ポート・エリザベスは、生態学的に多様な植物が豊かに茂り数多くの湖やラグーンが点在する、「ザ・ガーデン・ルート」として知られる南東に伸びる細長い海岸線に沿って広がっています。
ポート・エリザベスはまた、自然愛好家に嬉しいホエールウォッチングの人気スポットです。夏(6月から8月)および冬(11月から1月)の年2回、ザトウクジラがこの海域にやって来ます。ミナミセミクジラは7月から11月にかけて、ニタリクジラは1年を通して見ることができます。
ポート・エリザベス周辺にも野生動物保護区がいくつかあり、北に約72kmの場所にある、ズーバーグ山地および国立公園に近いアドゥ・エレファント国立公園はその1つです。南アフリカは「レインボー・ネーション」と呼ばれることがよくありますが、ポート・エリザベスでのご滞在中に出会うメニューがその理由を教えてくれます。街のレストランのメニューに取り上げられていない国はまずありません。イタリア料理レストランの隣には中華料理、その隣にはメキシコ料理、さらにフランス料理と続きます。市内の飲食店を巡っていると、まるで美食の世界ツアーのようです。ポート・エリザベスの本場の味を堪能したい方は、黒人居住区を訪れましょう。地元コサ族の人々は温かくもてなしてくれ、自家製ビールや伝統料理を披露してくれます。南アフリカの国民料理に最も近いと言えるボボティをお試しください。このボリュームたっぷりの料理はムサカと似ており、カレー風味の肉にクリーミーな卵液を載せて焼いたものです。