プライア・ダ・ヴィトリア、アゾレス諸島(ポルトガル)

ポルトガルの西約1,360km先にあるアゾレス諸島は、大西洋に浮かぶポルトガル語圏の9つの島からなる群島で、印象的な緑あふれる風景で知られています。

アゾレス諸島は1432年にポルトガル人探検家によって発見されましたが、初期の移民は約2,000人のフラマン人でした。彼らの影響は今でも一部の島に点在する風車に表れています。プライア・ダ・ヴィトリアはテルセイラ島にあります。この島の名前は、発見された順番を示す「3番目の島」という意味です。

この島の必見スポットは、ユネスコ世界遺産に登録されている諸島最古の町アングラ・ド・エロイズモでしょう。この町にそびえ立つのは、16世紀末に建造されたサン・ジョアン・バティスタ城で、全長約5kmの城壁に囲まれています。かつての修道院を改装したアングラ・ド・エロイズモ博物館では、町と島のストーリーを、武器、地図、アートのコレクションとともに紹介しています。2つの塔を持つ大聖堂もこの町を最も象徴する観光名所の1つです。これらすべてを見下ろすようにそびえるモンテ・ブラジルには、素晴らしい景色を楽しめるハイキングコースがあり、人気のピクニックスポットとなっています。

島のいたる所に点在する「インペリオ(現地の言葉でチャペルの意味)」もお見逃しなく。聖霊を崇拝するこれらのチャペルの多くは、人目を引く華麗なファサードが特徴的です。

アゾレス諸島は古代の火山噴火によって生まれ、海底から山頂までの高さで言うと、実は地球上で最も高い山地の1つということになります。常緑広葉樹林、湖、滝が刻まれた切り立った崖、ビーチがある海岸などがあります。これほど北にある土地には珍しく、1年を通して温暖な気候にも恵まれています。

テルセイラ島自体もこれらの火山によって形成された自然の驚異にあふれています。直径約3.2kmの巨大なカルデイラ・デ・ギリェルメ・モニス、広大な地下洞窟、蒸気が音を立てて噴出する噴気孔などはその一例です。

これらの火山活動は、肥沃な土壌も生み出しました。アゾレス諸島産のパイナップルはジャムやデザート、地元のリキュールなどに使われています。リキュールにはパッションフルーツ、ブラックベリー、タンジェリン味もあります。島には独自の茶畑もあり、ティーハウスに立ち寄って現地の紅茶を味見するのもおすすめです。ビスコイトスのワイン博物館では、テルセイラ島の長いワイン造りの伝統について学ぶことができます。島の生産者が選んだぶどうは、マデイラワインに使われるものと同じヴェルデーリョ種です。興味深いことに、この品種は19世紀のロシア宮廷で人気になりました。

アクティビティは陸上だけに限られていません。アゾレス諸島周辺の海では、ホエールウォッチング、カジキ釣り、サーフィン、ダイビングなど、さまざまなアクティビティをお楽しみいただけます。