プエルト・モント(チリ)
チリの大統領にちなんで名付けられたプエルト・モントの海岸に降り立つと、バイエルン地方の一角に立っているかのような錯覚を覚えるかもしれません。ケーキ、地ビール、切妻造りの家々などに見られるドイツの影響は、150年前にこの湖水地方に惹かれて入植した人々の遺産です。
プエルト・バラスは、チリとドイツの魅力が交じり合った町です。その建築物はヨーロッパを連想させ、随所にバラの花が植えられていることから「バラの街」として知られています。町自体も魅力的ですが、その背景はまさに圧巻です。町は国内第2の広さを誇るジャンキウェ湖の南西の角に位置し、対岸にはほぼ完ぺきな円錐形のオソルノ火山がそびえます。
西海岸を北上して中間に位置するフルティジャールは、のどかなドイツの影響が感じられる町です。古風な趣の桟橋が黒砂のビーチと湖の上に伸び、水辺でのんびりと過ごしたい方にぴったりです。ドイツ植民地博物館では、初期入植者の生活を垣間見ることができます。シンプルな下見板張りの建物の中には、水車付き製粉機のレプリカなどがあります。歩き回って疲れたら、クーヘンやアプフェルシュトゥルーデルのデザートで休憩するのもおすすめです。
プエルト・モントの周辺の風景を見ていると、間違いなく町の外へ足を延ばしたくなることでしょう。雄大な自然を満喫したい方は、チリ最古の自然保護区であるビセンテ・ペレス・ロサレス国立公園へお出かけください。ここで最も目を引く見どころはトドス・ロス・サントス湖です。水が濃い緑色をしていることからエスメラルダ湖としても知られています。近くにはペトロウエ滝があります。同名の川から流れる水は、ここで滝となって落ち、玄武岩の溶岩石の上で泡立ちます。
アレルセ・アンディーノ国立公園の、湖が点在する緑豊かな森を散策するのもおすすめです。ここでの主役は、アレルセと呼ばれるそびえ立つチリ産のレッドウッドの木で、高さは最大46m、太さは約4mにもなります。
これらのドラマチックな景色の中、ハイキングやサイクリング、カヤック、ラフティングなど、さまざまなアウトドアアクティビティをお楽しみいただけます。本格的な牧場体験はもっと魅力的かもしれません。ウアソと呼ばれるチリ版カウボーイに会い、見事な馬術を鑑賞したら、ボリュームたっぷりのバーベキューとチリ産ワインで締めくくりましょう。