サルヴァドール(ブラジル)
1763年にリオデジャネイロに移るまでブラジルの首都だったこの街は、現在はブラジルで3番目に人口の多い都市です。
1549年にポルトガル人入植者によって建設されたサルヴァドールは、特に砂糖と奴隷の取引で、たちまち重要な海港になりました。
サルヴァドールに連れて来られたアフリカ人奴隷はこの街の文化の重要な一部となり、料理や音楽、ダンス、そして宗教にも影響を与えました。1985年、サルヴァドールの歴史地区ペロウリーニョはユネスコ世界遺産に登録されました。
サルヴァドールのグルメシーンは、アフリカの食材や味付け、調理法に深く影響を受けており、多くの料理にシーフードが登場します。パーム油の1種であるアゼイテ・デ・デンデは、最もよく使われる原料の1つで、西アフリカの奴隷によってブラジルに持ち込まれました。
クルーズ中にぜひ試したい料理には、かつてカンドンブレの宗教儀式に用いられたこの地方の名物料理アカラジェや、アカラジェと一緒に食べられるパンとココナッツのシチューであるヴァタパなどがあります。モケカ・バイアナは、パーム油やココナッツミルクなど地元の食材を使った人気の魚の煮込み料理です。
サルヴァドールは、安全のために大聖堂やその他の重要な建物が建設された上町と、その82mほど下にある下町で構成されています。ブラジル初のエレベーター、エレバドール・ラセルダは、その2つのエリアを結んでおり、観光客は両地区を簡単に行き来することができます。
サルヴァドールの海辺には80kmを超えるビーチが連なり、サーファーや家族連れ、日光浴を楽しみたい人など、さまざまな人が楽しめる場所になっています。白壁のコロニアル様式の教会から見渡せるポルト・ダ・バラビーチは、しばしば世界最高のビーチの1つに選ばれています。
サルヴァドールの石畳の通りを散策すると、17世紀から18世紀のコロニアル建築やバロック建築の美しい例を見ることができます。鮮やかな色で塗られた建物もあり、まるで宝石がいくつも並んでいるかのようです。新市街に足を踏み入れると、一風変わったデザインの近代的なビルが頭上にそびえ立ち、まるで未来へタイムトリップしたかのような気分にさせられるでしょう。ウォールアートや彫刻も街のあちこちにあり、壁や公共スペースに個性と彩りを添えています。
サルヴァドールは、地球上で最大のパーティーの世界記録を持っています。毎年、サルヴァドール・ダ・バイーアのカーニバルでは、約400万人の人々が通りへ繰り出し、1週間にわたってストリートパレードやダンス、ライブ音楽が繰り広げられるフェスティバルに参加します。
ちょっと変わったダンスなら、カポエイラのパフォーマンスも見逃せません。このダンスと格闘技の組み合わせは、アフロ・ブラジルのコミュニティに特有のもので、サルヴァドールで始まったと言われていますが、現在では世界中で行われています。この街の滞在中には、このユニークな芸術を学ぶクラスに参加することもできます。
とはいえ、サルヴァドールは喧騒ばかりではありません。保護区になっている4つの公園があり、静かに座って考え事をしたり、緑豊かな公園を散策したりもできます。