清水
まずは駿府城を訪れましょう。400年の歴史を持つこの城に点在する堀や現存する石垣、復元された建物を眺めることができます。この建物の存在こそが、清水を地図に載せるきっかけの1つになったのです。1603年に将軍となった徳川家康は、1868年の明治維新まで続く徳川幕府を築きました。この時代は、江戸時代として知られています。徳川家康は、自分で築いた駿府城に1605年に隠居しました。ただし実際には、1616年に亡くなるまで日本の指導者であり続けました。
江戸時代には、芸術と文化が栄えました。芸者や相撲の力士、役者などを描いた浮世絵は、大衆文化の一部となりました。清水にある東海道広重美術館のコレクションには、風景画で名声を高めた歌川広重(1797~1858)の作品などが収められており、この絵画の形式とスタイルが時代とともに発展していく様子を知ることができます。
もちろん、この中部地方の実際の風景においては霊峰富士山が主役でしょう。三保松原はその富士山を眺めるのに最適な場所の1つです。この景勝地は、駿河湾の入り江と黒々とした松林が織りなす景観で、「新日本三景」にも指定されています。
混乱を避けるため明記すると、最古の文献に登場するのが1,200年以上前にさかのぼる清水港は、2003年に静岡市に吸収されています。
静岡市内にはまた、久能山に鎮座する久能山東照宮もあります。徳川家康を祀る神社の中でも、家康の永眠の地である日光の神社に次ぐ重要性を持つ場所です。久能山東照宮には、全体的に繊細で鮮やかな色使いと装飾が施されています。日本平高原からケーブルカーで素晴らしい景色をゆっくり楽しみながら向かうこともできますが、約1,000段の階段を徒歩で登ることもできます。
富士山の麓にある富士山本宮浅間大社を訪れれば、富士山がより身近に感じられるかもしれません。清水市にご滞在なら、静岡浅間神社を訪ねてみるのもおすすめです。これは、駿府城の近くにある3つの神社の総称です。
旅の締めくくりには、地元のシーフードをぜひお試しください。清水はマグロの漁獲量が日本一であり、しらすと並ぶ人気メニューです。地元の名物は、桜えびです。駿河湾で獲れる小ぶりで歯ごたえのある桜えびは、桜色をしていることからその名がつきました。竹製品や漆塗り製品は、観光の思い出にお土産としておすすめです。