トゥーロン(フランス)

トゥーロンは太陽が輝くコートダジュールに位置し、マルセイユとサントロペのほぼ中間にあります。ここからおしゃれなビーチへ出かけたり、石垣やライラック、ラベンダーの花々が織りなすプロヴァンスの風景を探しに出かけましょう。

トゥーロンは、1494年にシャルル8世がこの自然港に海軍の造船所を建造して以来、フランス海軍との深いつながりがあります。今でもシャルル・ド・ゴール空母の母港であり、約100年前に設立された国立海軍博物館には同船および歴代の船の模型が展示されています。色とりどりの漁船や洗練されたヨット、大型船などが行き交う現在の港には、1738年から続いているポルト・ド・ラルセナルの歴史ある波止場や工房も残っています。

港から少し離れた場所にあるヴィクトル・ユゴー広場には、壮麗なオペラハウスがあり、正面には豪華な柱に加え、喜劇と悲劇の像が並んでいます。トゥーロン大聖堂も必見です。堂々たる外観に引けを取らず、内部も印象的です。特に、凝った装飾の祭壇衝立(祭壇の後ろにある、さまざまな人物の浮き彫りが施された羽目板)は圧巻です。旧市街のこのエリアには噴水がいくつかあり、毎日開かれるラファイエット大通りの朝市を巡るのもおすすめです。

少し上からトゥーロンの風景を眺めるなら、ケーブルカーに乗ってゆったりとファロン山を登ってみましょう。頂上からは、市街地、港、地中海の景色を静かにお楽しみいただけます。

トゥーロンにも見どころはたくさんありますが、プロヴァンスの他の町やリゾート地を訪れるのもおすすめです。たとえば、今でも泉が湧き出るかつての温泉リゾート、エクス・アン・プロヴァンスを訪れてみましょう。セザンヌのアトリエには、彼のキャンバスを彩った日用品が今も残っています。アヴィニョンへもぜひお出かけください。この地のワイン、シャトーヌフ・デュ・パプはここに以前ローマ教皇が住んでいたことから名づけられました。

マルセイユとニースの間に位置するイエールは、まさに宝石のような町。コートダジュールで最も古いリゾート地の1つです。中世の面影を残す旧市街では、堂々としたテンプル騎士団の塔や同心円状の城壁に囲まれた、色鮮やかな花々が咲き乱れる雰囲気のある路地を散策してみましょう。

サントロペはコートダジュールの代名詞となっているおしゃれな町です。まず芸術家たちが住み初め、続いてマティスの作品が美術館に集められました。その後何十年にもわたり、一流アーティストたちが後に続きました。水辺には薄い黄色やオレンジの高い建物が立ち並び、マリーナではきらびやかなヨットがゆったりと揺れ、旧市街の狭い石畳の路地では心地よい散策ができます。

沖合に出るのもおすすめです。トゥーロン港からボートでポルケロル島へ行くことができます。この島は、手つかずの自然が残る黄金諸島最大の島で、隠れた入り江や静かなビーチでは楽しいひとときを過ごせることでしょう。